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2010年08月14日

第4回 ふくおか未来塾 報告

第4回ふくおか未来塾報告
8月9日(月)18時~ 天神パークビル




内容報告(抜粋)
『未来工業が来年2月のエジプトへの海外社員旅行で最長180日の休暇が当たるクイズを企画』というホットな話題に触れた後、ふくおか未来塾生2人の活動報告がなされた。

2人に対する講評を踏まえ、山田塾長から次のような事例を紹介していただいた。

教え子にAという人物がおり、岐阜県で酒の小売をしていた。
山田塾長からの「差別化せよ」に教えに従い、コンビニに形態を変え、売上100億で岐阜県№1になった。
彼は東海エリアでも№1になろうと目論んでいた。そこにはB社の存在があった。
B社は東海エリアでは№1で、全国1位のC社でも出店を見合わせていた時期だった。
「B社を抜きたい!」と思ったAは、ことごとくB社の隣に出店し次のような「差別化」を図った。
駐車場をB社より1台多く止まれるスペースを確保した。
シャンプーの売り場をB社より1坪大きくし、1アイテム多く陳列した。
やがて、B社は倒産した。

この結果を山田塾長は次のように分析した。
コンビニというのは欲しいものを欲しいときに買いに行くところだ。
スーパーは日用品を買い、ついでに衝動買いするところだ。
だから、コンビニで駐車できようがシャンプーが1アイテム多かろうが客は褒めない(感動しない)。
客が感動しないなら、差別化ではない。

年商100億円規模で自社ブランドで売るなら、弁当かおにぎりであろう。牛乳では例が少ない。
AはB社よりおいしい弁当やおにぎりで勝負すべきであった。
前出の全国1位のC社に対抗しようと、D社は弁当に力を入れそのおいしさでC社をしのいでいた。
一時は1000社を超えていた。
しかし、C社内に「弁当委員会」ができ研究の末おいしさが増し、客が帰ってきた。
いまやD社はE社に吸収されてしまった。
「おいしい」と客が感動しなければ、差別化ではない。
大手はプライベートブランドを作れるが、100億円規模ならおにぎりか弁当でお客が喜ぶような差別化を考えるべきだ。

名古屋にしゃぶしゃぶ№1のFという店がある。100店舗展開している。
ごまだれがおいしいと評判である。
銀座1丁目から8丁目まで店を持っている。
単価がリーズナブル(他社より安い)ことで人気がある。
6時には満員で待たなければならない。
売上を上げるためには、客の回転を上げなければならない。
そこで営業会議で個室の「床の間」を撤去し、人数を確保しようという提案がなされた。
しかし、社長命令でその案は却下された。
客の回転をよくする(客数を増やす)ということと、床の間をそのままにする(スペースを広げない)ということは、相反することのように見える。
しゃぶしゃぶを食べるのは、単価が安いといっても、「社用族」である。
日本人はお客を接待するのに、上座・下座にこだわる。
もし、床の間がなかったらどちらが上座か、迷うかも知れない。
だから床の間が必要なのだ。
また、席が空くまで客を待たせると言ったが、待合室では「水割り」を出してサービスしている。
お客の立場を考えた差別化をしなければならない。

名古屋にGという味噌煮込みうどんがある。
うどんは「こしが強い」のがいいのであるが、この店は「固い」ので評判になった。
他社がマネをし始めた。
山田塾長は味噌は気に入ったが、うどんが固いのは気に入らない。
そこでG社の社長に「オレ(山田塾長)がこしのあるうどんにしてくれといったらやるか」と聞いたところ「もちろんやります。お客様のご希望ですから」と答えた。
後日、G社のある支店にいって「こしのあるうどんにしてくれ」と注文したところ、「できません」と店長が答えた。
理由を質したところ、「マニュアルにありません。クビになってしまいます」。
お客のことではなく、自分のことしか考えていなかった。
会社の上層部と第一線では違うことがある。気をつけなければならない。

リーマンショックと誰もが言うが、実際中小企業では誰が引っかかっているか。
大手の電気・自動車は貿易しているから引っかかっただろう。
中小企業は関係ない。
この不況の中で売上のいいのは、Y・N・GOの三社である。
GOはマニュアルがなく、店長が好きにやれるからお客の言い分に従ってやっている。

沖縄ではうどんを食べない。
R社は、沖縄そばを使用した。店内には「普通のもあります」と掲示してある。

喫茶店で小分けになっているミルクを使う。
ミルクは90%この容器代である。そして使い終えたら捨ててしまう。
喫茶店のオヤジにそのことを話して、鉄の容器にしたらコストが下がるではないかと言った。
するとオヤジは「ウチは人件費が高いですから」と答えた。
見ると店員は奥でマンガを読んでいた。
時給制なら人を使わなければ損である。
月給制ならやってもやらなくても同じである。
そのへんを理解していない。

日本人は横並びで、「いいモノを安く」という。
そして過当競争に巻き込まれる。
そのためにコストを抑えようとする。
給料を下げるなどは間違っている。
お客に喜んでもらうためには、コストを掛けてもいいのではないか。

ここで塾生の一人が未来工業の製品を取り出した。




特許制度では、アメリカが「製品特許」、日本が「製法特許」である。
モノを考えるならアメリカのほうがおもしろい。
ヒトがやったことをヒントにしていくのもいい。
そこで現場で使う人が喜ぶような様々な工夫をした。
今までなかったから、お客は喜ぶ。
お客が喜ぶならコストを掛けてもいい。
先手必勝である。
未来工業は、他社がマネしてきたときには、高いコストを掛けて金型を作り85種類の製品を揃えていた。
売れ筋は3種類であるが、お客は「そんなものまで作っているのか」と感動してくれる。
同じ買うなら未来工業から買うわけだ。
モノが売れなくなると値段を下げる人がいるが、未来工業は売れるから値段を下げる必要はない。

以上


報告者:菅原 弘
  


Posted by ふくおか未来塾事務局 at 11:18Comments(0)講演・活動報告