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2012年01月17日

第2期第8回1月度ふくおか未来塾 報告



日時:2012年1月16日(月)18:30~21:00
場所:博多区博多駅東1-11-5 アサコビル10階5号室

今回の塾生のモチ報告は防長商事株式会社の元永専務。

宇部興産の商品を取り扱う商社として昭和13年に創業した歴史ある会社だ。

変えるものと変えられないもの、そこを見極めながら社員のヤル気を引き出す。

元永専務の苦悩と実践に満ちた報告に感銘を受けた。

塾生からの相次ぐ厳しい突っ込みにも誠実に答えていたのが印象的だった。





元永さんの報告を受けて、山田塾長は戦前戦後の日本経済を紐解かれた。

そうした中で今求められるのは「いかに差別化をするか」その重要性に触れた。

また、経営者は社員の心理状態をよく読みとることも必要であると指摘をした。





詳細は、また塾生のみなさんにレポートをお願いしたい。


第2期第8回1月度ふくおか未来塾 報告
報告者 ノアノア 菅原 弘
テーマ 「人の心を動かすために」

【モチ報告】
(社員にやる気を出させるため・モチベーションを上げるためにやっていること:別名エサ)
報告者:防長商事株式会社 専務取締役 元永 裕治氏

【塾長講和】
〈元永氏の報告をうけて〉
防長商事が創業70年を超えているというのはたいしたものだ。
建築資材(セメントなど)が好調であったのは、戦後‘45年頃からである。
空襲で焼け野原と化してしまい日本は復興に取り掛かった。
‘68年に世界第2位の経済大国になったのだから、20年で復興したわけだ。
その時期は商売になったはずだ。

‘29年に大恐慌が起きて世界中がアウトになった。
アメリカは公共事業をやれば景気が良くなるだろうと考えた(ニューディール政策)。
公共事業は景気を上げる効果がある。
日本は‘31年に満州事変が起きて景気が良くなった。
‘85年にはバブルが始まり、土地が上がった。最高は一坪2億円。
‘91年にバブルが弾けて、平成不況にはいった。失われた10年である。
じゃ、また公共事業をやろうと、時の小渕首相は10年で110兆円をつぎ込んだ。
でも効果はなかった。
‘01年、小泉首相は公共事業はやらないと言った。
セメントなどの資材はアウトになった。
公共事業もダメ、民間も家を建てなくなった。
住宅着工件数は‘73年に195万戸で古事記の時代以来、最高である。
‘74年には第一次オイルショックで狂乱物価になった。
‘94年の住宅着工件数は110万戸で約半分になった。
日本経済の指標の一つGDPは500兆円で第2位であった。
貯蓄高が1500兆円。3%あれば40兆円増える。あぶく銭だ。使えば景気が良くなる。
しかし政府はゼロ金利政策をとった。デフレになり景気が良くならない。
金利を上げれば、中小企業はダメになるのか。
‘68までは金利もあり、景気は良くなった。
貯蓄もしたし、金も使った。

建設資材は難しい。
差別化といつも言っているが、商品を変えるというより売り方を変えることもある。
歴史のある会社はすぐに変われない。
紙口銭というが紙みたいに薄い口銭だ。商社を表す表現だ。利益を出しにくい形態だ。
戦後はモノを作れば売れた。作ればイイ。売ることがメインだった。「売上主義」だ。
経営の計画は「売上」をいくらにするかにあった。だから社員に売上ノルマを課した。
利益を全面に出す会社は少なかった。
売れば褒められる。ノルマを達成すれば褒められる。
売ることに一生懸命で、安くしてしまう。だから利益が出なくなる。
給料は「儲け」で支払う。
売れ!売れ!で儲けがなかったら給料は出なくなる。
差別化・・・「わが社では利益を気にしろ!」ということでもイイ。
未来工業は、売上・利益とも追求はしない。
ただし公表しなければならないが。

社員に精一杯やれ!ということだ。
金よりもエサ。モチだ。
がんばったら上げるよって言うのは、ノルマ主義だ。
ノルマ達成すると給料がもらえる。
‘08年8月、サブプライムローンが問題になった。リーマンが引っかかり9月倒産した。
日本中でリーマンに引っかかったヤツはいない。しかしみんなが「リーマンが」と言う。
この間、看護婦までリーマンと言っていた。
野村證券はリーマンを買った。働く前から野村の社員より高い給料を払った。
わりと働いた。金をやれば動くということか。

先ほど第一土曜日を勉強会にあてたという話が出た。
出てこないと上ににらまれるからだろう。
不満を持たせないという考え方がある。
未来工業もQCで年に2回土曜日出ている。それは自由にさせている。
地区予選があり、全国大会がある。技術部だけでやっている。上のヤツは出てこない。
上がいなければ不満も出てこないだろう。社員に不満を持たせないことだ。

くだらない家電製品が増えてきたという話が出てきた。
エアコンが自分で掃除するという。日本国民がダメになっていく。
ソニーや松下は電気屋だから、テレビはいいとして、カメラを作り始めた。
カメラメーカーはあるのに、進出した。
北九州にはTOTOという便器屋がある。
松下も便器を作り始めた。過当競争だ。
本職(テレビ)だって儲かっていないのに、他の分野に出る。
本職でもないし、カメラメーカーもいっぱいある。儲かるはずがない。

差別化・・・今売っている商品の差別化もあるが、どう売るかという差別化もある。
営業の仕方の差別化である。

報・連・相禁止についての質問が出た。
上が指示してやると、下は責任がないからどうでもいいと思うようになる。
ちゃんとやらせるために禁止している。
こういうことをやりたいという提案を聞くということだ。
たとえば未来工業における「未来せんべい」などだ。
常に差別化といいながら、却下していたのでは社員は不満を持つ。
どんどん認めてやればやる気が出てくる。上に任せていては時間が掛かる。迅速にやればいい。
社員は、考えたらやらせてもらえるという喜びがある。
ダメだったら止めればいい。

日本人は怖がる・・・これが理解しがたい。
警備保障はSECOMが一番初めにやった。うまくいったらみんなモノマネし始めた。
たいがいの会社は日本にある。パン屋・うどん屋・電気屋なんでもある。
それでも始める。
一番怖いのは、向こう(大企業)は金持っている。
ウチ(未来工業)には何もない。しかし、できた。
(差別化の一つとして)「休み」を増やしたら、みんなに「お客に逃げられる」といわれた。
しかし、逃げられなかった。
同友会は全国に4万社あり、80%は3億売っていない。親子2代にわたっている会員もいる。
「お客に逃げられる」と怖がる。
『孫子の兵法』である。「敵を知り己を知らば百戦危うからず」である。
岐阜同友会で代表理事をした会員が「山田さんのところが休みを増やしてお客様が逃げなかったから、ウチもできるかもしれない」と5年計画で週休2日制を導入した。
うまくいった。社員は喜んでいるはずだ。
今では週休2日やらないところがダメになっている。
とにかくやってみる、ダメならすぐ止める。

(山田塾長は)これ(電気屋)でしか、メシが食えないと思った。
向こう(大企業)は金・技術・客を持っている。
そこで何か職人に喜ばれるものをと、考えた。
常に考える、お客さんに喜ばれるものを。
先日、松下政経塾で話をしてきて、それが雑誌になった。
見出しは「お客様を感動させる。社員を感動させる」。
報・連・相がないということは社員を感動させることである。(未来イズム)。
30の営業所がある(5つは私が作った)。報・連・相がないから30になった。
25は勝手に作ったのだ。しかし、社員は嬉しいんじゃないかな。
同友会の会員は「社員が勝手なこと(営業所を増やすこと)をしたら、金を使いますよ」と。
やった経験もないのにそんなことを言う。
自分の給料より高い給料を(部下に)支払いはしないはずだ。
もっと社員たちの心理を見つめるべきだ。

―了―  


Posted by ふくおか未来塾事務局 at 11:47Comments(0)講演・活動報告