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2013年03月25日

こんな時代にチャンスをつかむ工夫

第3期第10回ふくおか未来塾 報告
日 時:平成25年3月11日(月)18:30~21:00
場 所:アサコビル 5階会議室

冒頭、塾生の小山さんより報告があった。
この度、金沢工業大学の卒業が決まったこと及び未来工業に就職が内定したとのこと。
小山さんは平成24年6月よりふくおか未来塾に参加。毎月遠路金沢から通う。
そしてその熱意で塾長の心を射抜き、念願かなって内定を取り付けた。
まさに『未来イズム』の実践であった。
塾生一同よりお祝いの拍手喝采であった。


【塾長講和】テーマ:こんな時代にチャンスをつかむ工夫  山田塾長


話に熱が入る山田塾長

1965年未来工業は4人で創業した。
現在では北海道から沖縄まで網羅している。
中小企業は地元(近所)でボチボチやっているのが多い。
会社を大きくしたくないという人がいた。
大きくできる能力があるのかと聞いてやった。
己を知らなさ過ぎる。次から出てこなくなった。
いつもいうが「敵を知り、己を知らば、百戦危うからずや」だ。
会社の目的は設けることだ。
儲けて、いい給料を払っていい暮らしをしてもらうことだ。

未来工業にはノルマがない。
いくら売っても、いくら売らなくても給料は一緒である。
しかし給料は儲けの分け前であると社員に言っている。
一定の量を売らなければ給料(分け前)がもらえないと思うだろう。
営業の心の糧として、人口比で指数を表している。
未来工業は全国展開しているので、事業所ごと、担当の都道府県で売上比率を分析している。
例えば福岡県は人口500万人だから、日本の4%にあたる。
だから売上は全社の4%なら評価点は100点である。
これだけ売らなければ恥である。
すると社員から「金持ちの県と貧乏の県はどうなるのか」と質問が来た。
未来工業の商品は建築資材であるから住宅の建つ数に比例するだろう。
そこで住宅着工件数を都道府県ごとに調べたら、人口比とぴったり合った。
社員はグーの音も出なかった。

沖縄は日本の人口の1%である。
売上は全社の3%、評価点は285点である(かなり優秀)。
82年から私(山田塾長)が営業開始した。
ちょうど沖縄復帰10年目の日だった。
電器の問屋に行ったら「何を売るんですか」と聞かれた。
(当時でもそこそこのシェアはあったので)そんなこと言われたのは初めてだった。
そこで売りに売りまくった。社長はカリスマでなければならない。
99年まで営業してこの成績になった。
この数値はノルマではない。飽くまでメドだ。自分の立ち位置を知るためだ。

45年戦争に負けた国(日本)が、68年には勝った国を追い抜いて世界第2位の経済国になった。GDPは500兆円である。
日本人は腕がいい。焼け野原と化した日本は作れば何でも売れた。
「売れ売れ」と売上だけを追求した。
利益を度外視して売上ばかり追求した。大事なのは利益だ。
昔は売れば儲けは付いてきた。
1ドルは360円だったが、今は変動する。
売るほうにばかり頭がいっている。
会社で壁に張り出している棒グラフは売上の表だ。利益のグラフではない。
儲けが大事だ。

未来工業では粗利の指数もある。
売上120点、利益65点なら安売りしている証拠だ。
福岡県は人口4%、売上5%、粗利5%・・・合格だ。
これを見たら、自分がうれしいと思うだろう。
自分の立ち位置を知らせるために作った。


熱心に質問を投げかける宮崎さん

Q:営業のコツは?
一生懸命歩くことだ(足で稼げ)。
そして得意先の担当と、「おい、お前」(と言えるくらい仲のいい)関係になることだ。
かしこまって営業するのではなく、親しくなることだ。

阪神大震災の時はエリアのお得意先の半年分のお買い上げ金額を返した。
それを大手新聞が取り上げた。
大手の電器メーカーが(未来工業と比較されて)泣いた。
お得意先は「今後は未来工業製品を買います」と言っていたが、喉元過ぎると・・・(笑)。
東日本大震災の時は、違う貢献をした。
(5年に一度の海外社員旅行で)エジプトに行く予定だったが内紛でいけなくなった。
キャンセル料払ってもまだ1億円あった。
シンガポールに行こうとしたら、今回の大地震だ。
岩手支店・茨城工場に被害が出た。
被災した社員がいるので旅行は取りやめて、その1億円は寄付をした。

売上ではなく利益を頑張るべきだ。
売上主義だと安売りに走ってしまう。
利益で給料は出るのだ。
社員を管理するのは減点主義になってしまう。
悪いところばかり目につくようになってしまう。

次回の未来塾に(忘れなければ)月次決算のネタを持ってくる。
月次決算書にはすべての経費が出ている。
売上が前年比3%アップで、経費が前年比3%以上アップしていたら文句を言われる。
これが利益を出すコツである。
3%を超えたらいけないのである。
3%以内にするために徹底的に議論する。

Q:就業規則はどうしていますか?
「改正していますか 就業規則」という本が同友会から出ている。
これは未来工業がお手本である。

Q:売上・利益を確保するにはどうしたらいいか。
日本のGDPは500兆円ある。
日本で675万社あって、一番はトヨタで、それでも26兆円だ。
リーマンショックというけれど、それでも475兆円だった。
需要はある。
リーマンショックというけれど、誰が引っ掛かったのか。
自分がバカだから売れないのだ。
花屋でも3兆円の市場だ。売れた実績だ。
どの業界が売る相手がいないのか。
景気は悪くない、ウチはダメというのはあるけれど。
73年には、神武天皇の時代から考えても史上最高の195万戸の新築着工があった。
失われた10年で110万戸になった。半分だ。
しかし110万戸で足りないのか(110万戸全部に自社商品が売れたのか)。
そんなことはない。
今80万戸になった。足りないのか。そんなことはない。
伸びないのはバカだからだ。
どうやって売ろうか・・・それを考えるのが未来イズムだ。
供給が需要より多いということはありえない。需要はある。
ウチが売れないということはある。

私がよく行くうどん屋がある。
社長に会った時に、コシの強いうどんにしてくれと言ったら、「お客様の希望なら、そうさせます」と言っていた。
次回その店に行って「コシの強いうどんにしてくれ」と言ったら店長が出てきて「マニュアルにないことをやったら、私はクビになります」と言っていた。
結局社員は自分のことばかり考えている。
いかにお客様に喜ばれるかが大事だ。

Q:臆病な経営者にどのように言えばいいか。
日本人はヨコ並びが好きだ。
村八分を怖がる。
いいものを安く売るとみんなヨコ並びして過当競争し儲かっていない。
冒険するくらいの気構えが必要だ。
それを差別化という。
やってみて、ダメならやめればいい。
残業を増やすより、人員を増やせ。
それで売り上げが減ったら、営業を増やせ。
みんな人件費ばかり考えて怖がっている。

ドロボーが入るからと言って守衛を置けば、年間750万円かかる。
ドロボーに入られる被害額とどちらが高いのか。
コストが上がれば利益は下がる。
こんな簡単な算数がわからない経営者が多い。


終了後の懇親会でも塾長の熱弁は続く

―了―
  


Posted by ふくおか未来塾事務局 at 10:27Comments(0)講演・活動報告