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2015年09月17日

第6期 第4回ふくおか未来塾

熱心に討論をする未来塾生

今回のテーマは「社員のやる気を出させる工夫」

 経営というものは「経験則」があってはじめて成立するもんや。経験がないのに、ものごとを判断するのがいちばん怖いことだ。例えば、よく引き合いに出されたのは週休2日制。
未来工業は早くから週休2日制を導入していた。その話を聞いた中小企業の社長は「山田さんの会社だからできる。もし、うちの会社で週休2日を導入したら、売上が落ちてしまう」と散々聞かされてきた。そんなとき「お前さんの会社は週休2日をやったこともないのに、そんな情けないことを言うなよ。まず、やってみてダメならすぐやめたらよいではないか」「何も一度に週休2日をやれとは言ってない。岐阜同友会の仲間の会社では、今年はまず土曜を1日休んでみよう。それでやれたら次の年はもう一日増やそう。そうして取り組みを初めて完全週休2日にしてしもうたではないか。しかも、過去最高の利益をだしてしまった。」「まずはやってみること。そして、なんでもいきなりやるんではなく、やれるところから取り組んでみることだ。」

 山田塾長の口癖のひとつ、経営者は空想家が多い。やったこともないことを空想して答えを出そうとする。それをはじめに触れたように「経験がないのに、ものごとを判断するのが経営の中で一番怖いこと」と言っている。ここが未来イズムの重要ポイントのひとつになる。未来イズムは実践経営学だ。だから、山田塾長はやってみてダメだったらすぐに止めたらいいと事も無げに言う。全員休みを取っての社員旅行も経営課題を社員に投げかけている。私たちなら、そんなことをしたらお客様に迷惑がかかる。お客様が離れる。売上が落ちる。と、やりもしないのに想像をして実践をしようとしない。やると決めて、あとはどうしたらやれるかを社員に考えさせる。お客様への対応、売上を落とさずにやる方法など。

 できの悪い社長は「戦略」と「戦術」どちらを選ぶべきか。それは「戦略」を選ぶべき。つまり「売らせろ、買わせろ、作らせろ」ということだ。いかに商品をうまく売るか、いかに安く仕入れるか、いかにいいものをつくるかなどは個々の戦術であってあくまでも社員がやるべきことである。その代わり、社長たるもの「戦略は命を賭けて一生懸命やらなければならない。」戦略の基本は差別化だ。ものづくりの差別化、販売の方法論の差別化、社員を引っ張るリーダーシップまですべてを差別化しなければならないのである。それは生半可なことでできることではない。だから、社長はしっかり勉強しろ、社員は働きなさいと。ところが、たいがいの社長は現場をやりたがる。先頭にたってすべてをやりたがる。それが大きな失敗の原因となる。

 以上のレポートをもとに、塾生による議論がスタートした。最初に口火を切ったのは内山さん。社内文書一つでも、自分で工夫して出させるのはなかなか難しい。やはり全社的な底上げが必要になる。どうしたら、底上げができるか、そこが課題になる。すると、西中間さんが塾長はすべてを任せる。管理しないことを教えている。自分は胃の痛い思いをしながら、それを実践している。先だって、現社長が沖縄に来られた。その時にあまりに成績が悪い社員に反省を促した。そのことを山田雅裕社長に軽く話をしてみたら「西中間さん、楽をされましたね」とするどく指摘をされた。「言いたいのじっと我慢して見守る。10年も辛抱すれば大丈夫」と言われた。こんな会社の状態で果たして10年待てるのだろうか。そんなふうにも思ったが、片方では1年にも満たない新人が成績を上げてきている。基本的な商品知識以外、何も教えない。「自分で考え自分で行動する、それでちゃんとした売上をあげてきたんですよ。」塾長の教えはこれだなと確信した。

 業界では考えられない完全固定給制度、しかも初任給は沖縄でもトップクラス。年間休日も140日を超え、有給休暇も完全取得をさせている。これは完全に追い込み漁だ。先にエサを与え、とことん自分で考えさせて仕事を生み出す。仕事に主体的に取り組むような社員が育成されてくる。また、そのようになるまでトップは一切口を出さない。西中間さんは口を出さないばかりか、会社に顔も出さないそうだ。最近、採用した事務員も1年も満たないのに部長に抜擢した。その社員は高校で簿記の資格を取っただけで、実務の経験はないのに今では一端に経理事務をこなしている。社員も奥さんが事務をやっているときよりも協力的だと社員たちの変貌に驚いている。

 「西中間さん、会社に出ないんでは社員とのコミュニケーションができないじゃないですか?」と原さんが突っ込む。コミュニケーションは必要ないですね。もともと社員はコミュニケーションなんかは求めていません。その証拠にビーチパーティをやる時でも、自分にスケジュールが入っている日を選んで、「社長、ビーチパーティ参加しますか?」とくる(笑)。社員の本音は社長の顔をみたくないんだよな。未来イズムに取り組む前は飲みに行ってましたよ。「じゃあ、頑張った人に声をかけたり、なかなか結果がでない人を指導したりもしないんですか」と今度は吉住さんが突っ込む。「しませんね。」すると「やっぱり社員は頑張った時は社長から声をかけられると嬉しいもんです。さらにがんばろうって気になりますよ。できないときもちょっとしたヒントでできるようになるかもしれない。やはり、コミュニュケーションが必要な人はいますよ。」「私はしませんね。すべて管理することに結びつきますからね。管理されると自分で考えようとしなくなります。そこをグッと我慢するんです。だから、福岡でやる未来塾に救われています。沖縄を離れられますかね(笑)」。西中間さんは山田さんの本を繰り返し読み、またテープを何度も聞いては山田塾長になりきろうとしている。

 これから福岡進出も計画している。未来イズムに徹して、先憂後楽でエサを徹底的に与えて「社員のやる気を出させたい」。自分は営業が得意で、自分の食い扶持くらいはいくらでも稼げる。しかし、それではいつまでたっても会社にはならない。これまでも優秀な人材を多く辞めさせてきた。人が辞めていく会社もダメ、人が自ら育つ環境でないと大きな成長はつながらない。会社や社長はどうでもいい。社員が本当にやる気が出せる会社を作ることが大切ではないかと思っている。奥さんも経営に迷いが出た時には夜中でもカンブリア宮殿を何度も見ているそうだ。このテープを見ると落ち着いて眠れるらしい。恐れいりました。
  


Posted by ふくおか未来塾事務局 at 12:58Comments(0)講演・活動報告